リモートファシリテーション

リモートワークが浸透してきた今の時代、オンラインでのミーティングや会議を行う場面が多くなってきました。

しかし、対面の会議でさえうまくいっていないのに、リモートでの会議はさらにうまくいかない、という状況に陥っていませんか?

そこで、リモートファシリテーション、リモート会議の上手なやり方を習得してあなたの会議をさらに活性化させ、成功させる秘訣をお伝えします。

目次

リモートファシリテーションとは

ファシリテーション

1.ファシリテーションとは

ファシリテーション、あまり聞き慣れない方もいると思います。
わかりやすく言えば、会議の進行を上手に行う技術のことです。
しかし、単なる司会進行の技術とは異なります。

日本ファシリテーション協会のホームページでは次のように紹介されています。

ファシリテーション(facilitation)とは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。
集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味します。
その役割を担う人がファシリテーター(facilitator)であり、会議で言えば進行役にあたります。


ここでは詳しいファシリテーションの技術は割愛しますが、いかにして参加者の意見を引き出し、そこからチームの目的に従った結論を導き出すかが大きなポイントとなります。

2.リモート会議と対面会議の違い

リモートでの会議は対面会議と違って、以下のような違いが考えられます。

・お互いに意識しすぎて意見が出にくい
・ホワイトボードや付箋紙など自由に記述できるものが使えない
・進行役とは別にオンラインミーティングのホストを務める役割が必要
・牽制する人がいないので、一人の人が長々としゃべってしまう

などなど。
他にも違いはありますが、今回はこの4つの問題に対して解決するための
「リモートファシリテーション」
の技をお伝えしていきます。

リモートファシリテーションの技 その1「意見を出してもらうために」

意見

通常の会議でさえ意見を出してもらうのが難しいのに、リモート会議になるとさらに意見を出しにくい雰囲気になります。
これを克服するために、リモートファシリテーションでは「バズセッション」を活用するといいでしょう。

1.バズセッションとは

私が通常の会議でよく使う手法の一つに「バズセッション」というのがあります。
これは周りの人2〜3人でグループを組んで、テーマを与えた雑談をさせてから発言をするという手法です。

人は2〜3人であれば雑談として自分の考えを話すことができます。
その上で2〜3分程度経過したところで、グループごとに今話たことを発表してもらうのです。
そうすることで、自分が話したことを自分が発表することなく周りに伝えることができます。
この方法だと、普段発表しない人でも意見を出すことができるようになります。

ところが、リモート会議では簡単に周りの人とグループを組んで、ということができません。
さて、リモートファシリテーションとしてバズセッションをさせたいときにはどうすればいいでしょう。

2.ブレイクアウトルームを活用しよう

リモートミーティングツールの「ブレイクアウトルーム」という機能を活用しましょう。
これを使うと、その場で即席に、簡単にグループ分けを行うことができます。

ミーティングツールによってブレイクアウトルームの使い方が異なりますので、使い方の詳細はそれぞれのミーティングツールのヘルプなどを参照してください。
Zoomであればホストが事前にグループを分けることもできるし、その場で任意にグループ編成をすることもできます。
可能であれば、バズセッションをやる度にグループ編成を変えると、会話に新鮮味も感じられるでしょう。

このブレイクアウトルーム機能を使うときの注意点があります。
いきなりグループ分けされると、慣れていない人はどうなっているのか訳も分からずにとまどってしまうでしょう。
ですから、今日の会議ではこの機能を使いたいと思ったら、会議の冒頭でアイスブレイクとしてこの機能で雑談をする練習をしてみるといいでしょう。

こういったツールの活用を促すのもリモートファシリテーションのコツの一つになります。

3.記録を取るように促そう

ブレイクアウトルームを活用したバズセッションは効果が高い反面、会話をするのに夢中になってしまうという傾向があります。
そのため、その場でどんなことを話したのかを忘れてしまうという危険性もあります。

これを防ぐために、グループ内でのチャット機能を活用したり、または誰かが手元のメモ用紙に話したことを記録するということを行ってもらいましょう。
これについては、会議の進行役であるファシリテーターが注意事項として伝えておくことが必要になります。

リモートファシリテーションでは各グループに目が届かないので、メンバーへの教育も必要になってきます。

リモートファシリテーションの技 その2「共通ホワイトボードに記録をとろう」

通常の会議でもホワイトボードに記録を取ることを推奨しています。
これがリモートファシリテーションになると、物理的なホワイトボードを使うことが難しくなります。
このときの工夫をお伝えします。

1.記録役は別に設けよう

通常の会議では、ファシリテーターがホワイトボードなどに記録を取っていくのが普通のやり方です。
ところが、リモートでの会議の場合はそうもいかなくなります。

これはやってみるとわかると思いますが、ファシリテーターとして会議を進行しながら、キーボードを叩いて記録を取るというのは至難の業です。
話をすると手がうまく動かないし、手を動かそうとすると話しがうまくできなくなります。

そのため、リモート会議で共有のテキストチャットや画面上のホワイトボードなどに記録を残す場合は、記録役を別に設けてみましょう。
このときの記録役は、キーボード操作が速い人が行うのは当然のことですが、もう一つ条件があります。
それは、ファシリテーターを経験したことがある人が行う、というものです。

その理由は、記録役は発言者の言葉を要約して記録をする必要があるから。
これはファシリテーターを経験した人でないと、言葉の要約は難しいでしょう。
ですから、実はオンライン会議を行う場合には、ファシリテーターよりも記録役の方が忙しくなるのです。

リモートファシリテーションでは、記録役を経験豊富な人にやってもらう。
これがリモート会議をうまくやるコツでもあります。

2.共有ホワイトボード機能を使おう

リモートファシリテーションの場合、会議の記録はミーティングツールに備わっている「共有ホワイトボード」を使うのが一般的です。
使い方は各ツールで異なりますので、それぞれのヘルプなどを参照してください。
大事なのは、発言や意見に対して漏れなく記録をとる、ということです。

共有ホワイトボードの機能が使いづらいのであれば、普段使っているワードやエクセル、パワーポイントの画面を共有してもかまいません。
この場合、初期役の方の画面を共有してもらうことになります。

会議システムによっては、単に音声と喋っている人の顔しか映らないようなものもあります。(LINEなど)
この場合、どのように議事録をとるといいのでしょうか?
簡易なシステムでも「チャット画面」というのがあるはずです。
ファシリテーター、もしくは記録役がこのチャット画面に会話を打ち込んでいくというのが理想的な進め方でしょう。

3.リモート会議でブレインストーミング

対面式の会議であれば、付箋に意見を書いて出す「ブレインストーミング」というやり方を行うこともあるでしょう。
しかし、リモートミーティングツールには残念ながら付箋はありません。
リモート会議ではブレインストーミングはできないのでしょうか?

ここでリモートファシリテーションとしておすすめなツールがあります。
それが「GoogleJamboad」です。

これはGoogleのアカウント(Gメールアドレス)を持っている人なら誰でも無料で使えます。
Jamboadは付箋機能があるため、従来の付箋を使うのと同じように意見を出し合うことができます。
しかもJamboadのURLを会議参加者に事前に送っておけば、各々のパソコンやタブレットから入力したものを共有することもできます。

このGoogleJamboadはリモートファシリテーションでは欠かすことのできないツールですので、ぜひ一度使ってみてください。

リモートファシリテーションの技 その3「できないことは人に任せる」

役割分担

リモートファシリテーションでは、役割分担がとても重要になってきます。
通常の会議ではファシリテーターがいろいろな役割を兼務しても大丈夫ですが、リモート会議ではそれでは成り立ちません。
どんな役割が必要なのかを解説していきましょう。

1.ホストと共同ホストを決める

会議を開催し、システム全体を取り仕切る役割となるのがホストです。
ホストはリモート会議の開催をセッティングし、会議の参加者に通知を出し、入室制限などを行ったりするという役割があります。
また、会議の記録をスタートさせたり、場合によっては参加者のマイクコントロール(ミュートやミュート解除)も行う必要があります。

このときに、次に説明するファシリテーターを共同ホストに指定しておくことをおすすめします。
リモートミーティングツールによっては共同ホストを設定することができないものもあります。(Teamsなど)
この場合は、ファシリテーターをホストに設定するのはおすすめできません。

また、ブレイクアウトルームの設定やスタートはホストが行うことになります。
事前にファシリテーターを打ち合わせをしておき、ここではいくつのグループに分ける、何分間にするなども決めておきましょう。

リモートミーティングツールに精通した人がホストを行うようにしたほうが、リモートファシリテーションはうまくいきます。

2.ファシリテーター

ファシリテーターは会議を進行する役割を担う人です。
会議の時に、急に「ファシリテーターをやってください」と言われても、いくら慣れている人でも会議の背景がわかっていなければ進行をすることは無理です。
そのため、ファシリテーター役は事前に決めておき、会議の主催者と会議の趣旨や進行に対しての打ち合わせを綿密に行っておきましょう。

さらに、ホスト役とも打ち合わせを行い、どのような作業をお願いするのかを事前に決めておくことも必要です。
特にブレイクアウトルームを活用する場合は、ホスト役にそのセッティングやスタートを依頼することになります。

ファシリテーターの意図がホスト役にきちんとつながるように、ファシリテーターが中心となって会議の進行を決めておくようにするのがリモートファシリテーションの大きなポイントとなります。

3.記録役

会議の記録役、グラフィッカーとも呼ばれています。
これを設定する理由はすでに述べていますが、ファシリテーターが進行しながらキーボードを打って記録をするのは困難です。
ぜひ記録役は別に設けてみましょう。

記録役は単に記録をするだけでなく、発言の確認を促すようにしてください。
発言の確認とは、記録したものと発言内容が合っているか、ということを復唱して行う行為です。

通常であればファシリテーターが行うのですが、これを記録役が行っても構いません。
そのため、記録役はファシリテーターの経験が豊富で、かつパソコンのキーボード操作に慣れた方を指定したほうが、リモートファシリテーションはうまくいきます。

4.タイムキーパー

タイムキーパーも通常はファシリテーターが兼務することが多いです。
しかし、ファシリテーターがオンライン会議に慣れていないと、うっかり時間のことを忘れてしまうこともあります。

これを防ぐために、タイムキーパーを一人決めておくのもいいでしょう。
この役割になった人は、共同ホストにしていしてもらうことをおすすめします。

場合によってはホストがタイムキーパーを兼ねても良いかと思います
リモートファシリテーションでは時間の管理もとても重要な要素となります。

リモートファシリテーションの技 その4「発言をコントロールする」

演説

リモート会議では周りに人がいないため、発言中に注意をすることが困難になります。
画面越しに突然長々と演説を始めてしまうこともありえます。
これは特に役職が上の、偉い人にありがちな傾向です。

あまりにも長い演説のような発言は、他の参加者の意欲を失わせる原因にもなります。
リモートファシリテーションでは、こういった人をどのように牽制すればいいのでしょうか。

1.ルールを決めておこう

長々と話をする人を抑えるために、まずは発言ルールを決めておくことをおすすめします。
これはリモートファシリテーションだけでなく、通常の会議でも活用できるものです。

例えば「発言は1分以内に」というルールを作っておくのです。
そうすれば、ファシリテーターも発言者を注意しやすくなります。

こういった会議のルールは、会議の冒頭で必ずみなさんで確認するようにしてください。
そうしないと「オレはそんなルール聞いていない!」とゴネる人も出てきますのでご注意ください。

2.偉い人には根回ししておく

偉い立場の人をルールで縛る、というのが難しいこともあります。
この場合、あらかじめ偉い人が発言する時間を予定してプロセスに組み込んでおくことです。
そして、事前にこう伝えておくのです。

「部長にはここで5分ほど意見を述べていただく時間を作っていますので、そのときに発言をお願いします」

こうすれば、偉い人もそのときにまとめて言えばいいかと思ってくれて、会議の途中で時間を奪い取るということも少なくなるでしょう。
ちなみのこの時間、会議の最後や、キリのいいところで入れておくのがコツです。会議の途中の演説だから、みんなもイライラしますが。最後だったら少しくらい辛抱できるでしょう。

こういった根回しをリモート会議の前に事前にしておくのも、リモートファシリテーションのコツです。

3.積極的に反応してもらう

リモート会議の場合、つい話が長くなってしまう原因の一つに「あいづちがない」ことがあげられます。
人は適度なあいづちがあると、それに合わせて会話を組み立てるものです。
しかし、オンラインではあいづちを打つのは難しいものです。

そこでリモートファシリテーションの技として
「反応ボタン」
を活用してもらうようにしましょう。

反応ボタンはリモートミーティングツールによって使える種類や使い方が異なるので、詳細はそれぞれのヘルプを参照してください。

この反応ボタンをあいづち代わりに使ってもらうのです。
特にファシリテーターが積極的に反応ボタン、例えば拍手やグッドマークを押すことで、周りも同様に反応してくれます。

このときに「そろそろ話を切り上げて欲しい」という場合は、バッドマーク的なものを使うといいのです。
これも事前に「このマークが表示されたら、話を早めに切り上げてください」ということをルールにしておくといいでしょう。

そうすることで発言者は、他の参加者が今どのような気持ちで聞いているのかを目で確認することができます。
これは通常の会議ではできない、リモートファシリテーションならではのコツになります。

さいごに

リモートファシリテーションを行うには、まずファシリテーションの基礎知識も必要です。
小手先のテクニックだけではリモート会議を上手にこなすことは難しいですよ。

ユーアンドミークリエイトでは、豊富な研修実績とリモートファシリテーションの知識を有しています。
リモートファシリテーションに対して、もっと知りたい、研修などを開催したいなどの要望がありましたら遠慮なくご連絡ください。
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