会議で発言を促す魔法の秘術
2026/01/12
前回は理解が深まるパワーポイントの作り方について説明しました。
実は、このやり方をある人に指導をしたら、それでパワポの資料を作って補助金を取りまくったということがあったんです。
作り方のコツさえマスターすれば、いろんなところで活用できるんですよね。
さて、今回はお話をファシリテーションに戻します。
会議で多くの方が困っているのが「意見が出てこない」ということではないでしょうか。
「これについて何かご意見のある方いますか?」
こう尋ねても、シーンとなってしまうだけ。
特に効果的な対策や方法を考えようとしても、意見がでてこないことには次に進めないものです。
さて、どうすれば意見ってでてくるんでしょうね?
ここで今回、ファシリテーター歴20年をこすプロフェッショナルファシリテーターが活用している魔法の秘術をお伝えします。
私はこのやり方を活用することで、意見が全く出てこないという会議はありません。
むしろ、意見が出すぎて困っちゃう、なんてことがあるくらいです。
さて、どんな秘術が紹介されるのか。
期待して御覧ください。
【そもそもどうして意見が出ない?】
そもそもどうして会議では意見が出てこないのでしょうか?
これにはいくつか理由があります。
まずはここを押さえておきましょう。
1.どうせ言っても無駄だという雰囲気がある
会議で意見を言っても、結局は上の偉い人の鶴の一声で決まってしまう。
そんな会議だと、意見を言っても無駄だという空気が流れてしまいます。
また、自分はまだまだ組織では下の立場だから、意見を聞き入れてくれるはずがない。
そんな思い込みもあるでしょう。
2.言ってもすぐに否定される
せっかく意見を言っても「何を馬鹿なことを言っているんだ」とか「もっと現実的な意見を出せ」なんて言われてしまう。
そんなふうに意見を否定されると、人はそれ以上言いたくなくなるものです。
特に思い込みの激しい人や、偉い人などからそんな風に言われると、人格まで否定されてしまったような気になってしまいます。
また、自分がそう言われなくてもそういった光景を目にしてしまったら。
自分も被害に遭いたくないという意志が働いて、意見を言えなくなってしまいますよね。
3.意見を言える雰囲気になっていない
意見を言いたい、けれど会議の場が緊張感で包まれて声を出すことができない。
そういうこともよくあります。
特に上の立場の人が腕を組んで真剣に「うーん」なんてうなっていたら、手を挙げて意見なんて言えるような雰囲気にはなりませんからね。
場が沈んだ状態になればなるほど、自由に意見なんて言えなくなるものなのです。
4.みんなの前で意見を言うのが恥ずかしい
言いたいことはある、けれど大人数の前で手を挙げてまで発表するほどの勇気がない。
こういう人も多いのではないかと思います。
こういうのを気にせず、ガンガン意見を言う人もいます。
逆に、こういった人の存在が余計に「言えない」という気持ちを増長させてしまうのです。
だって、あんな風に目立ちたくはないというのが多くの人の思いでしょうからね。
【意見がないのではない、言えないだけ】
以上のことでおわかりだと思いますが、人は意見は持っているんです。
けれど、それを言えないだけなのです。
ファシリテーターや会議を司る人は、まずはここを理解しておきましょう。
逆を言えば、言えるような雰囲気、空気、そして制度を作ってしまえばいいんです。
そうすると人はどんどん自分の思っていることを口にしてくれます。
意見がないから、仕方なく偉い人の鶴の一声で決めてしまう。
そんなもったいない会議にはしないようにしていきましょう。
それではここから、参加者の意見をどんどん引き出す、魔法の秘術についてお伝えしていきます。
【秘術1 まずは雰囲気づくりから】
まずやってもらいたいのは、何でも意見が言えるような雰囲気づくりです。
といっても「無礼講なので何でも意見を言って下さい」なんて伝えても、さすがに自由に意見は言えないものです。
ここで登場するのが「アイスブレイク」です。
アイスブレイクとは、会議などの場の緊張感を和らげる=「アイス(緊張した状態)をブレイク(壊す)」というものです。
アイスブレイクは会議の目的や参加人数、参加者、またそこに充てられる時間などによってやり方を変える必要があります。
どのようなものがあるのかは、インターネットもしくやYoutubeで「アイスブレイク」で検索をすると、ネタがたくさん出てきます。
今回、一般的によく使われている「グッドアンドニュー」というのをご紹介しましょう。
これは一人1分程度で、最近あった良かったことや嬉しかったことなどを一人ずつ話してもらうというものです。
話し終わった後は、必ず拍手をしてもらいましょう。
これを何人も重ねていくことで、場の緊張感が和らいで、さらに何でも話せる雰囲気になっていきます。
肝心なのは「拍手」されること、これは承認効果にもなるため、発言したことを受け止めてくれた証拠にもなります。
会議の参加人数が多い場合は、あらかじめ5〜6名程度のグループにして時間を見てこれを行うといいでしょう。
【秘術2 おしゃべりをさせよう】
さて、いよいよ会議の場での発言の場面です。
ここで「みんなの前で意見を言うのが恥ずかしい」という人が必ず出てきます。
そこで登場する秘術が「バズセッション」です。
バズセッションのバズとは、SNSなどで「バズる(Buzz)」という言葉と同じです。
Buzzとはガヤガヤした状態のことをいいます。
まずやるのは、近くの方2〜3人でグループを組ませます。理想は3人です。
そして、テーマに対してどんなことでもいいから、そのグループでおしゃべりをしてもらいます。
おしゃべりの時間は1〜2分程度で充分です。
そして、各グループで出された意見を、グループのどなたかに発表してもらいます。
こうすると不思議なことに、みんなの前では話せなかった考えや思いを、おしゃべりだと話すことができちゃうんです。
そして、自分が話したことを別の人が代表として発表してもらう。
これで間接的に自分の意見が発表されたことになるんです。
私はこれを会議では多用しています。
すぐにその場で即席グループを指示して、そこで会話をしてもらうと、間違いなく全グループ意見が出てきますので、これはぜひお試しを。
【秘術3 ブレインストーミングをやろう】
次の秘術はブレインストーミングです。
これは意見を付箋に書いてもらい、どんどん出してもらうというやり方です。
ブレインストーミングには4つの原則があります
・自由奔放 どんな馬鹿げた意見、非現実的な意見でもOK、意見に聖域はありません
・批判厳禁 良い悪いは判断せず、人の意見を否定しないようにしましょう
・便乗歓迎(改善結合) 人が出した意見に相乗りをして、それをヒントに別の意見を考えましょう
・質より量 たくさんの量の意見が良い質を生み出す、という考え方です
また、私は次のルールも守ってもらうようにします
・手を挙げてから発言する
・発言してから付箋に書く
・人の意見は必ず見る、聞く
ブレインストーミングを使うと、思いもかけないアイデアや意見が飛び出してくることもあります。
また自由に意見を言って良いという雰囲気を醸し出せるために、今まで言えなかったようなことまで飛び出します。
更に良いのは、匿名で意見を出せるところにあります。
「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」という内容に対しての深堀りができるようになります。
ブレインストーミングはやったことがない人も多いので、これをやる際にはルールを説明して一度簡単なテーマで練習してみるといいでしょう。
ちなみに私は「居酒屋で食べたいメニュー」を2分間ださせるということをよくやっています。
これ、アイスブレイクにもなるのでとても盛り上がりますよ。
【秘術4 書いてから発表】
人は人前で自分の意見を発表するのが恥ずかしいもの。
けれど、意見を文字に起こすことはできます。
そして起こした文字を読み上げることはできます。
だから、付箋などを配布しておき、一人一言意見を書いてもらいます。
そして順番に読み上げてもらうのです。
ここでのコツは「書いたことのみを読み上げるようにして下さい」と伝えることです。
つまり、余計なことは言わないようにさせます。
これはなぜか?
人によっては自分の主張を押し通そうという人もいます。
そういう人は声も大きく、長々と意見を言いがちになります。
そうすると、どうしても場がその方向に傾きがちになるのです。
けれど、発言量を制限させると、全員が同じ程度の分量しか話せなくなります。
つまり、発言の量が均等になるのです。
こうすることで、これも「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」に意識を向けることができます。
さらに良いのは、書いたものを模造紙などに張り出すことで、ファシリテーターが板書する手間が省けます。
これにより時間短縮にもつなげることができます。
【秘術5 発言は必ず復唱して見える化する】
これは秘術2〜4に共通する項目です。
ファシリテーターは出された意見に対して、必ず要約をして復唱をして下さい。
そうすることで、発言者は意見を取り上げてもらった、という気持ちが高まります。
さらにそれを必ず板書すること。
秘術3,4では発言者が付箋に書くので板書は不要ですが、秘術2では板書が必要になります。
意見は見える化されることで、初めて意見として取り上げられたということになります
そうやって意見を取り上げてもらったと思えば、さらに発言をしようという気持ちも高まるものです。
これは承認効果といって、コーチングなどでもよく使われるものです。
いいねって言われたら、またそれをやりたくなりますよね。
なので、復唱をして板書する、これを必ず行うようにして下さい。
【絶対にやめたほうがいいやり方】
ここまで秘術をお伝えしてきましたが、つい全員発言をさせたいためにこんなことをやってしまうのを目にしたことがあります。
「これについて、一人ずつ順番に発言してもらいます」
これの何がいけないのか?
これをやると必ずと言っていいほど
「◯◯さんと同じです」
という意見が出ます。
これ、発言したように見えて発言していないことになります。
また、これを一人許してしまうと、あとに続く人は
「あ、それOKなんだ」
と思って、同じような発言をしてしまいます。
これだと結果的に全員に発言をさせるといいつつ、有効な意見の数はそれほど出てこないことが多いのです。
これって時間の無駄になります。
じゃぁさっきの秘術4の書いて発表と何が違うのか?
書いて発表は、自分の言葉で発表してもらうことになります。
そもそも、似たようなニュアンスでも言葉が違えば違う意見になります。
だから、一人ひとりの意見を大事にしてもらったという気持ちが高まるのです。
時間のムダを省き、場をしらけさせないためにも、一人ずつ順番に意見を言ってもらうというのは避けましょう。
【おわりに】
さて、会議で発言を促す魔法の秘術はいかがだったでしょうか?
これ、どれも私が実際の会議で活用しているものです。
ぜひ使ってみて下さい。
特に秘術1のアイスブレイク、これは必須だと思って下さい。
会議の冒頭5分程度でできるネタをいくつか準備しておくといいですよ。
また、毎回同じネタではなく少しずつ変えていくというもありです。
ぜひインターネットなどでネタをたくさん仕入れておいてくださいね。
ところで、意見はたくさん出たけれど、これをどのようにして結論まで導けばいいのか?
そのためにはいろいろな考え方があります。
次回は意見の収束の方法、意見のまとめ方についてお伝えしましょう。
そういないと、単にたくさん意見を出して広げただけで終わっちゃいますからね。
それでは次回まで、乞うご期待あれ!
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