パワーポイントを使わない研修の秘密
2025/12/29
皆さんは研修やセミナーを受講する時に、多くの講師が「パワーポイント」もしくはそれに類するスライドを使ったものを受講することが多いでしょう。
このスライド、上手に活用するととてもわかり易くてありがたいものです。
けれど、私も今まで多くのセミナーや研修を受講しましたが、残念なことに
「これはちょっと…」というものが多すぎて。
だからというわけではないのですが、実は私はこういったスライドはほとんど使いません。
「使えないだけじゃないの?」
そう思う人もいるかも知れませんが、実は私はスライド作成はお手の物。下手な人よりも上手に作れる自信があります。
なのにどうして研修ではパワーポイントのスライドを使わないのか。
今回はその秘密と、スライドを使う皆さんにもぜひ意識をしてほしいことをお伝えします。
【パワーポイントを使うメリットとデメリット】
まずはパワーポイントを使うメリットとデメリット、これについて理解していただきましょう。
実はこのメリットとデメリットは、講師側と受講生側に別れます。
まずは受講生側のメリットとデメリットについてご説明します。
1.受講生側
① メリット
・きれいな文字で読める
・絵や写真、動画などを使うとイメージが伝わりやすい
・スライドを資料としてもらうことで、復習しやすい
② デメリット
・文字ばかりのスライドを見せられると読むのが面倒
・目で追っている部分と講師が解説している部分がアンマッチになることがある
・スライドを飛ばされるとその部分が気になる
・スライドを資料としてもらうことで、メモを取らなくなる
2.講師側
① メリット
・一度作成してしまえば繰り返して同じものが使用できるので準備に手間取らなくなる
・話す内容が順番に準備されているので、伝えたいことを漏れなく伝えられる
・なんとなくカッコよく見せることができる
② デメリット
・スライド作成の準備に時間がかかる
・一枚にたくさんの情報を載せがちになってしまう
・時間がない場合などに臨機応変な対応がやりにくくなる(スライドを飛ばして解説などをしてしまう)
さて、こうやって見るといかがでしょうか?
実はパワーポイントのスライドって、受講生にメリットが有るように思えますが、講師側のメリットのほうが大きいんですよね。
なにしろ、一度作れば使いまわしができて、準備に手間取らなくなるし。
さらに、伝えることがすでに準備されているので、研修当日もあまり考えることもありません。
でも、それで本当に受講生のためになっているのでしょうか?
【ホワイトボードだけで研修を行う理由】
ここで私がホワイトボードだけで研修を行う、その理由についてお伝えします。
これはある意味、パワーポイントのスライドのデメリットを包括するような理由になっています。
1.受講生に目と耳と手を同時に使ってもらえる
パワーポイントのスライドの最大の欠点、それは「目」で追う部分と「耳」で聞く部分が合わなくなることがあるということです。
特に文字ばかりのスライドを見せられると、目はスライドの文字を追っているのに、講師は別の所を解説している、なんていうことが起こり得ます。
しかし、伝えるべきことをしゃべりながらホワイトボードに書くことで「目」と「耳」で追う部分が一致します。
さらに書いたことをメモさせるように促すことで、「手」も同時につかってもらうことができるのです。
これは人の五感のうち「視覚」「聴覚」「触覚」を同時に使ってインプットしてもらうことになります。
そのため、受講生の記憶に残りやすくなるのです。
2.アドリブが効く
私がパワーポイントのスライドで一番イライラするのが、スライドを飛ばされることです。
手元の資料にも同じスライドがあるのに「時間がないのでここを飛ばします」なんて言われるのが一番困るんです。
だって、そこがなんなのかがすごく気になりますから。
けれど、スライドが無いということは、講師が伝えるべきことを多少飛ばしても、受講生側には飛ばされたなんてわかりません。
そのため、時間がなくて多少端折らなくてはいけなくなっても、受講生側には何ら影響はありません。
むしろ、時間をかけて丁寧に説明してくれたと思ってくれるほどです。
こんな感じで、時間がない中でのアドリブが効きやすいのがホワイトボードだけで研修をするメリットの一つになります。
3.受講生の意見を板書できる
こちらが問いかけをしたことに対して、受講生に答えてもらう場面があります。
特にグループワークをしたときには、できる限りそのときの答えを発表してもらうようにしています。
このときに受講生側の答えをホワイトボードに記載することで、受講生は自分たちの意見を取り上げてくれたという「承認欲求」を満たすことができます。
だからホワイトボードはとても活用しがいがあるのです。
これがスライドだけだと、受講生は意見を発表するだけに終わってしまい、後には何も残りません。
わざわざ発表された意見をスライドにパソコンから打ち込む、なんてことをやる講師はほとんどいないでしょう。
これ、やってみるとわかりますがすごく面倒で時間がかかってしまうんですよ。
ホワイトボードならすぐに手軽に記載することができますからね。
4.事前準備がほとんど不要
パワーポイントのスライドと違い、事前準備はほとんど不要です。
だって、頭にあることをどんどんホワイトボードに書けばいいだけですからね。
また、パソコンとプロジェクタの接続不良などのトラブルに巻き込まれることもありません。
たまに相性が悪いのか、うまく投影できないこともあったりしますから。
また、会場によってはプロジェクタが準備できずにこちらが持ち込むなんてこともありえます。
もしくはレンタル会場にあるものを借りて行うこともあります。
そうなると追加費用がかかってしまい、負担をかけてしまう(場合によっては講師側が負担する)こともあります。
ホワイトボードならそういった準備も面倒さもありません。
主催側に負担をかけることもありません。
強いて言えば、ホワイトボードマーカーは必ず自分のものを持ち込むようにして下さい。
これは、会場に準備しているものがインク切れだったり、色が揃っていないことがあるからです。
できれば愛用のホワイトボードマーカーを準備しておくことをおすすめします。
【ホワイトボードにもデメリットはある】
ここまでで、ホワイトボードだkで研修を行うメリットは感じていただけたでしょう。
けれど、やはりデメリットもあります。
これをしっかりと理解しておいて下さい。
1.伝えたいことを漏らしてしまう
ホワイトボードだけの研修の組み立ては、講師の頭の中だけで行われます。
そのため、伝えようと思っていたことをついうっかり忘れてしまう、なんてこともありえます。
実は私、これ何度もありました。
なんかやたら時間余ってるなーと思ったら、一つ伝えるべきことを抜かしていたんですね。
でも大丈夫。
それに気づけば、あとから追加すればいいだけですから。
何をどの順番で伝えるべきか、なんてことは受講生は知りませんから。
素知らぬ顔をして「これも大事なことなんですよ」なんて感じで追加で説明すればいいだけのことです。
でも、伝えるべきこと自体を忘れてしまったら、どうしようもありませんけどね。
2.書くのに時間がかかる
書いて伝えるということは、伝えることを書く時間が必要になるということです。
この板書の時間がもったいないと思う人もいるでしょう。
けれど、実はこれ受講生のためにもなっているんです。
なにしろ受講生は、こちらが書いたことを必死にメモしていますから。
つまり、受講生にも書く時間が必要となるわけです。
そのため、あわてずにゆっくりと板書して大丈夫です。
むしろ、こちらが板書し終わって受講生を見回して、おおよそ手が止まったのを見てから次に進む、というくらいでOKなんですよ。
3.書いて伝えるのに慣れが必要
ホワイトボードのどこに何を書くか、なんていうのも決まっていません。
しかしこれは何度も同じ講義をやっていくうちに、自然にその配置が決まってくるでしょう。
だからそうなるまで慣れが必要になります。
慣れればなんていうことはなくなりますが、何度も板書を繰り返してそのコツを掴むことが必要になります。
これは練習も必要になるでしょう。
可能であれば、一度自宅でA4の紙でいいので、模擬講義をやりながら何をどこに書くのかをシミュレーションしておくのもいいでしょう。
4.絵や写真を使ってイメージを伝えることができない
実はこれが一番大きなデメリットだと思っています。
百聞は一見にしかず、絵や写真を見せれば一発でイメージが伝わるのに、言葉だけではうまく伝わらないものです。
この場合、少人数の研修やセミナーであれば、A4の紙に印刷をしてその場で紙芝居として見せる、なんていうやり方もあります。
しかし、大人数になるとそうはいきません。
この場合は、絵や写真の部分だけプロジェクターで見せるというやり方も併用していくことを考えましょう。
実は私もこれはやっています。
私の場合、動画を見せることがあるのですが、この場合だけは先方にプロジェクタや大型モニターなどを準備してもらうことがあります。
こういったデメリットも理解しながら、ホワイトボードを上手に活用しつつデメリットをカバーする方法も考えていきましょう。
【ホワイトボードに書くときの注意】
ホワイトボードを使って講義をする時に、いくつか注意点がありますのでそれをお伝えしておきましょう。
1.立ち位置は受講生から向かって右側に
これは右利きの人の場合です。
左利きの人は逆、左側に立ちましょう。
これは、ホワイトボードに書く際に右側に立つと、体を開いて書くことができるからです。
つまり、ホワイトボードに被さらない形になります。
そうすることで受講生は、書いている文字をすぐに確認できます。
これが逆、左側に立っていると、文字を書く時に文字を隠す形になってしまうので、受講生は講師が体を退けない限り文字が見えなくなります。
立ち位置には十分注意して下さい。
2.漢字が出てこなければカタカナ、ひらがなで
いつも書いているはずの漢字なのに、すぐに思い出せなくなる。
こんなことはよくあることです。
ここで「この漢字ってどうだったっけ?」なんて思ってスマホを取り出して調べるなんてことは絶対に避けて下さい。
そうしないと、せっかくの講義の流れが止まってしまいます。
漢字が思い出せなければ、カタカナひらがなでOKです。
このときに「ごめん、この漢字忘れちゃったので」と言い訳しても大丈夫。
受講生はきっと笑って許してくれます。
中には受講生が漢字を教えてくれることもあります。
また、後で思い出したり受講生がワークをやっている最中に調べて漢字がわかったら、そのときに「この漢字はこれでした」なんて伝えればいいのです。
このくらいの講師の方が愛嬌がありますよ。
3.要約をして書く
これは受講生に問いかけて、その答が出たものを板書する場合です。
受講生の答を一言一句そのまま板書するわけではありません。
ある程度要約をして板書することになります。
この場合、一通り答を聞いてから
「ということは◯◯◯ということですね」
と相手に要約した答を確認してから板書するようにしましょう。
もしくは
「これは◯◯◯と書いておきますね」
と伝えてもOKです。
そのため、要約力は磨いておくように常に意識をしておきましょう。
【これだけはきちんと準備】
ホワイトボードだけで行う研修について、それなりに理解していただけたと思います。
最大のメリットは、大掛かりな準備は不要ということです。
けれど、これだけはしっかりと準備しておいてほしいものがあります。
1.ホワイトボードマーカー
これは先述したとおり、会場のものではインク切れだったり、思ったような太さで文字がかけなかったりということがあるからです。
そのため、自分が愛用できるホワイトボードマーカーを準備しておきましょう。
私が愛用しているのは、PILOTのカートリッジ式、中字平芯のホワイトボードマーカーです。
これは、文字を小さくも大きくも書けるというメリットがあります。
丸芯のものよりも使いやすいです。
また、カートリッジ式なので、途中インク切れになっても替えインクを用意しておけば、すぐに対応することができます。
ということで、替えインクも必ず準備しておいて下さい。
それと、色は黒、赤、青の三色準備することをおすすめします。
人によっては緑やオレンジなども使うでしょうが、それはご自由に。
最低でも三色は必ずご準備を。
2.あんちょこ
いわゆる講師用のカンニングペーパーですね。
何を書いて伝えるのか、何度もやっていることなら頭の中に入っているでしょう。
けれど、私も100%暗記しているわけではありません。
だから、伝えるべきことを記載しているテキストなどのあんちょこは準備しておいて下さい。
これを見ながらホワイトボードに書いていくのです。
でも、それを見ながら書くってカッコ悪くないですか?
そう思われるかもしれませんが、そこは大丈夫です。
そもそも、パワーポイントの解説だってそこに書いてあるものを見ながら読み上げるでしょ。
強いてカッコよく見せるとするならば、紙ではなくiPadなどを見ながらだとカッコ良く見えますよ。
ちなみに私もあんちょこはiPad miniを使ってます。
【おわりに】
今回はホワイトボードを使う講義の秘密をお伝えしました。
これはあくまでも私がやっていることをお伝えしただけですので、取り入れられるところは取り入れてみて下さい。
いや、そうは言っても私はパワーポイントのスライドで講義をするんだ。
そう思っている方もいるでしょう。
実は、私は個人セミナー「ダイナマイトマーケティング大学」をやっていたときには、必ずパワーポイントのスライドを作っていました。
実はここにも、ちゃんとしたスライド作成のノウハウがあるんです。
次回は、受講生のためになるパワーポイントのスライドを作成するための秘技についてお伝えします。
これを知っておくのとそうでないのとでは、受講生の納得度、理解度が段違いになりますよ。
ぜひ次回もお楽しみに!
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