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会議の「困ったちゃん」という猛獣をどう扱うか?

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会議の「困ったちゃん」という猛獣をどう扱うか?

会議の「困ったちゃん」という猛獣をどう扱うか?

2026/05/04

前回は、ファシリテーターとして信頼されるために、最初の30秒で何をすればよいのか、というお話をしました。
会議は、始まった瞬間の空気で流れが大きく変わります。
参加者との信頼関係ができていると、ファシリテーターも進行しやすく、参加者も安心して発言できます。


ところが、どれだけ丁寧に場づくりをしても、会議には必ずと言っていいほど現れるキャラクターがいます。
それが、会議の「困ったちゃん」です。
話が長い人、黙っている人、すぐ否定する人、最後にひっくり返す人。
ファシリテーターなら、一度は頭を抱えたことがあるのではないでしょうか。


慣れないうちは、こうした人をつい排除したくなります。
「この人さえ黙ってくれたら」「この人がいなければ」と思ってしまうのです。
しかし、困ったちゃんを力で押さえつけようとすると、かえって逆効果になります。
まるで猛獣のように、こちらが強く出るほど噛みついてくることがあるのです。


でも、安心してください。
この困ったちゃんという猛獣も、扱い方を知っていれば、会議を壊す存在ではなく、会議を動かす力に変えることができます。
今回は、ファシリテーターが身につけておきたい「困ったちゃんの扱い方」についてお伝えします。


【そもそも会議の困ったちゃんってどんな人?】

会議の困ったちゃんと一言で言っても、実はいくつかのタイプがあります。
ここでは、代表的な5つのパターンに分けて見ていきましょう。

 

パターン1 とにかく話し続ける「独演マン」

一度話し始めると、自分の意見を何度も繰り返し、会議を独演会にしてしまう人です。
本人は一生懸命説明しているつもりでも、周囲から見ると、同じ話が続いているように感じます。
その結果、他の参加者が発言できなくなり、会議の時間だけがどんどん過ぎていきます。


パターン2 会議に無関心な「さぼりマン」

会議中なのにスマホを見たり、別の仕事をしたりして、発言を求められても「特にありません」とかわしてしまいます。
一人がこのような態度を取ると、会議全体の士気も下がります。
真剣に参加している人ほど、がっかりしてしまうものです。


パターン3 専門家気取りで人の意見を批評する「否定マン」

誰かが意見を出した瞬間に、「それは無理です」「昔やって失敗しました」「現実的ではありません」と否定から入ります。
もちろんリスクを指摘することは大切です。
しかし、アイデアを出す段階で否定ばかりされると、参加者は発言する意欲を失ってしまいます。


パターン4 ちょっと横道にそれてしまう「脱線マン」

「そういえば、この前こんなことがありまして」と話し始め、気づけば議題とは関係のない話になっているタイプです。
悪気がないことも多く、場を和ませようとしている場合もあります。
ただ、会議には目的と時間がありますので、放置すると結論にたどり着けなくなります。


パターン5 最後の最後でひっくりかえす「ちゃぶ台返しマン」

会議中は黙っているのに、結論が決まりかけたときに「私は納得できない」と言い出します。
特に役職が上の人にこのパターンが出ると、これまでの議論が一気に振り出しに戻ってしまいます。
ファシリテーターにとって、かなり手ごわい存在です。


【そもそもどうして困ったちゃんは出現するのか?】

困ったちゃんをただ「迷惑な人」と決めつけてしまうと、扱い方を間違えます。
その行動の裏には、本人なりの不安や欲求、過去の経験が隠れていることが多いからです。
まずは、なぜそのような行動を取るのかを考えてみましょう。

 

1.独演マンの場合

独演マンは、沈黙が怖いのかもしれません。
少しでも間が空くと「何か話さなければ」と感じてしまうのです。
また、自分の意見を認めてもらいたいという承認欲求が強い場合もあります。
さらに、自分がどれだけ長く話しているかを客観的に分かっていないこともあります。

 

2.さぼりマンの場合

さぼりマンは、単に怠けているだけとは限りません。
参加者が多い会議では、「自分が言わなくても誰かが言うだろう」と思いやすくなります。
また、「どうせ言っても無駄」「意見を出しても否定される」と感じている場合もあります。
つまり、あきらめや自己防衛が沈黙や無関心に見えていることもあるのです。


3.否定マンの場合

否定マンは、人を否定することで自分の立場を守ろうとしている場合があります。
「自分の方が分かっている」と示すことで、会議の中で優位に立ちたいのです。
また、失敗を恐れるあまり、新しいアイデアに強いブレーキをかけることもあります。
自信のなさが、他人を認められない態度として出ていることもあるでしょう。


4.脱線マンの場合

脱線マンは、会議の話をきっかけに、別の出来事を思い出してしまうことがあります。
本人は関係があると思って話しているのですが、聞いている側からすると本題から離れている。
また、場を和ませようとして、良かれと思って雑談を入れていることもあります。
意図は悪くなくても、進行上は調整が必要です。


5.ちゃぶ台返しマンの場合

ちゃぶ台返しマンは、あえて決定プロセスに参加しないことで、逃げ道を残している場合があります。
失敗したときに「自分は賛成していない」と言える余地を残しているのです。
また、最初から進行や結論の方向性が気に入らず、最後に自分の影響力で場を動かそうとしていることもあります。
だからこそ、沈黙を放置してはいけません。


【困ったちゃんをどう扱うか】

では、この困ったちゃんという猛獣を、ファシリテーターはどう扱えばよいのでしょうか。
大切なのは、排除しようとしないことです。
相手の存在をいったん受け止めたうえで、会議の目的に沿うように方向づけていくことです。

 

1.独演マンの扱い方

まず発言時間のルールを作ります。
会議の冒頭で「一人の発言は1分以内にしましょう」「まずは全員から一言ずつ聞きます」と伝えておきます。
ルールがあると、話が長くなったときも個人を責めずに軌道修正できます。
「なるほど、Aさんのお話はこういうことですね。では、他の方はいかがですか」と要約して次へつなげましょう。


2.さぼりマンの扱い方

会議前の働きかけが大切です。
「今回のテーマについて、一人ずつ意見を述べてもらいます」と事前に伝えておきます。
会議の冒頭でも「今日は全員に一言ずつ発言していただきます」と共有します。
そうすれば、本人もいつ指名されるか分からず、自然と参加せざるを得なくなります。


3.否定マンの扱い方

会議の段階を明確に伝えます。
アイデアを出す時間であれば、「実現性は後で考えます。今は、もしできるとしたらで話してみましょう」と促します。
また、「反対意見を出す場合は、必ず代替案も出しましょう」というルールも有効です。
否定を止めるのではなく、改善の材料に変えていくのです。


4.脱線マンの扱い方

パーキングロットを使ってみましょう。
パーキングロットとは、今すぐ扱わない話題を一時的に置いておく場所のことです。
「今の話は大事なので、こちらにメモしておきます。いったん本題に戻りますね」と伝えます。
発言を無視せず、かといって本題から離れすぎないようにするのがポイントです。


5.ちゃぶ台返しマンの扱い方

途中で意見を引き出すといいですね。
黙っている人がいたら、「ここまでで懸念事項はありませんか」「〇〇さんはどうお考えですか」と声をかけます。
特に影響力のある人が黙っている場合は、最後まで待ってはいけません。
結論の前にも「この内容で進めてよろしいですね」と確認し、後からひっくり返されないようにします。


【困ったちゃんを飼いならすとどうなるか?】

これは、実際に私が体験した話です。
ある企業の会議で、独演マンとちゃぶ台返しマンが同時にいたことがありました。
独演マンについては、冒頭で「発言は一人1分以内」とルールを決めました。
そのおかげで、話が長くなりそうな場面でも、こちらから介入しやすくなりました。


実際にその方が話し始めたとき、私は途中でこう伝えました。
「なるほど、つまりこういうことですね。大切な意見なので、ホワイトボードに書いておきます」
すると、その方は意外にも満足した表情をされたのです。
おそらく、自分の意見がきちんと認められたと感じたのでしょう。


もう一人は、組織のトップにあたるちゃぶ台返しマンでした。
会議中、何も言わずに腕を組んで黙っていたので、私は「これは最後に何かあるかもしれない」と感じました。
そこで途中で、あえて名指しで意見を求めました。
「この点について、〇〇さんはどのようにお考えですか」


すると、その方は自分の意見を話し始めてくれました。
その意見も一つの意見として扱い、ホワイトボードに整理しました。
結果として、そのトップの意向も含めた形で結論をまとめることができました。
最後に確認しても反対は出ず、会議は無事に終了しました。


この経験から感じたのは、困ったちゃんは押さえつけるより、認めて方向づける方がよいということです。
ただ黙らせるのではなく、発言を受け止め、整理し、場に返す。
そうすると、困ったちゃんは会議を壊す存在ではなく、会議を動かす存在に変わってくれるのです。


【会議の困ったちゃんは困ったちゃんではない】

そもそも、困ったちゃんはなぜ困ったちゃんなのでしょうか。
それは、周囲から見ると会議に非協力的に見えるからです。
しかし、その人にも意見があります。考えがあります。不満があります。
そして、多くの場合「自分のことを認めてもらいたい」という思いがあります。


その思いを無視して、上から押さえつけようとすると、相手はさらに反発します。
人は誰でも、自分の存在や意見を大切に扱ってほしいものです。
会議の困ったちゃんも、最初から困ったちゃんだったわけではないのかもしれません。
これまでの会議での扱われ方が、今の態度を作っている場合もあります。


だからこそ、ファシリテーターは困ったちゃんを敵にしてはいけません。
まずは意見を聞き出し、発言を認める。
そのうえで、会議の目的に沿って方向づける。
この順番を間違えないことが大切です。


猛獣も、ただムチで押さえつければ暴れます。
しかし、上手に扱えば、こちらの動きに合わせてくれるようになります。
会議の困ったちゃんも同じです。
適切に扱えば、会議を盛り上げてくれる役割に変わってくれます。


また、困ったちゃんを扱うときには、ファシリテーター自身の表情や声のトーンも大切です。
同じ言葉でも、責めるように言えば相手は身構えます。
しかし、受け止める姿勢で伝えれば、相手も聞く耳を持ちやすくなります。
会議の技術は、言葉だけでなく態度にも表れるのです。


【おわりに】

会議の困ったちゃんの飼いならし方、いかがだったでしょうか。
今回は、独演マン、さぼりマン、否定マン、脱線マン、ちゃぶ台返しマンという5つのタイプに分けてお伝えしました。
どのタイプも手ごわい存在ですが、それぞれに背景があり、それぞれに扱い方があります。


独演マンには発言時間のルールを作る。
さぼりマンには事前に発言準備を促す。
否定マンには代替案を求める。
脱線マンにはパーキングロットを使う。
ちゃぶ台返しマンには途中で懸念を引き出す。


上手にできたら、承認の言葉というエサをあげる。
ルールから外れたら、会議のルールというムチで軌道修正する。
このバランスが、ファシリテーターには求められます。
ただし、主役はあくまでも会議の参加者です。


ファシリテーターは、参加者を支配する人ではありません。
参加者の力を引き出し、場を整え、みんなが納得する結論へ導く人です。
参加者の尊厳を大切にしながら、必要なときにはルールを使って場を守る。
その丁寧な関わりが、会議を前に進めていきます。


会議の困ったちゃんをうまく扱えるようになったら、次に注目したいのは「会議のルール」です。
ルールを上手に作ることができれば、困ったちゃんは最初から暴れにくくなります。
次回は、会議の参加者を上手に導くための「会議のルール作り」についてお届けします。
乞うご期待!
 

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