ファシリテーターはこう振る舞うと華麗に見えます
2026/05/25
前回は意見が対立した時の解消法についてお伝えしました。
意見の対立、これはファシリテーターにとってはチャンス!
新しいものを生み出すきっかけになりますからね。
だからファシリテーターは対立を怖がらずに、ワクワクしながら対立解消に臨みましょう。
というのが前回お伝えしたことです。
そうやって颯爽に振る舞うと、ファシリテーターって「かっこいいっ!」って言われそうですね。
さらにかっこよく振る舞うには、実はちょっとしたコツがあるんです。
あなたもこのコツを知ることで、ファシリテーターとしての地位を向上させることができるかも
では、どんな振る舞いがカッコいいのか、それを今からお伝えしましょう。
【カッコ悪いファシリテーターとは】
カッコいいファシリテーターをお伝えする前に、これはやってはいけないファシリテーターとしてのNG的な振る舞いというのをご紹介しておきましょう。
これを知っておくだけでも、見た目のカッコ悪さを回避することができますよ。
1.人の意見を論破してしまう
ファシリテーターは中立である必要があります。
しかしファシリテーターも人間です。
自分の思いや考えとは違う意見に対して、反論したくなることもあるでしょう。
そんなときに
「いや、それはちょっと違いますよ」
「これは正しい意見ではありませんね」
なんて感じで、論理的に相手を論破してしまおうとする。
これ、ファシリテーターとしては絶対にやっては行けない行為です。
論破すると、こちらは気持ちいいかもしれませんが、相手は気分を害してしまいますよね。
さらに、会議の場も白けたものになってしまいます。
論破はファシリテーターとしてはカッコ悪さを助長するだけです。
絶対にやってはいけません。
2.カタカナ用語や専門用語を連発する
今流行りのカタカナビジネス用語。
「アジェンダ」「コミット」「アグリー」といった言葉はそれなりに浸透はしてきましたが、まだまだ馴染みがないものです。
こういった言葉を使うのがトレンド、カッコいいだろうと思わないで下さい。
なにしろ会議の場というのは古い考えを持っている人もいるし、ビジネスに対して初心者もいるのですから。
カタカナ用語や専門用語は一見するとカッコよく見えますが、参加者側からすればチンプンカンプンなこともあります。
できるだけわかりやすい日本語で伝えること。
伝わっていないと思ったら、すぐに言い換えることも大事です。
3.焦ってしゃべりすぎる
意見がなかなか出なくて、場が静まり返った時。
ファシリテーターとしてはちょっと慌ててしまいます。
だって、意見を出してくれないと会議が進みませんから。
こんなときについ「例えばこんなことでいいんですよ」とか「じゃぁ一人ずつ意見を出してもらいましょう」なんて感じであわててファシリテーターが喋ってしまう。
これ、とてもみっともないです。
まずは慌てずに、しっかりと見守りましょう。
また、自分の意見を安易に口にしないように。
そうしないと、参加者は「誘導された」というような気持ちになってしまいます。
4.参加者の役職や親密度で態度を変える
相手が役職の高い、偉い人に対してはやたらと丁寧な言葉で振る舞う。
逆に自分よりも役職が低い、もしくは若手で気が弱そうだと思ったら強気で圧力をかけるような言葉を使う。
このように相手によって態度を変えるのは、とてもみっともないです。
特に注意をしなければいけないのは、仲の良いメンバーがいる場合の進行。
こんなとき、ついタメ口で内輪の話で盛り上がってしまいがちです。
そんなことをされると、そうでもないメンバーはその輪に入れず、疎外感を感じてしまいます。
ファシリテーターはどんな立場に対しても同じ態度を取ること。
それが中立性を生むことにもつながります。
5.すぐに感情的になる
会議の進行がうまくいかずにイライラした態度になる。
参加者の発言レベルが低いと感じて、ため息をついてしまう。
意見の対立が始まると、不安になってオロオロした態度を取る。
こんな感じで感情がすぐに表に出てしまうと、参加者は「この人、大丈夫かな?」なんて気になってしまいます。
これでは会議の進行を任せるわけにはいきませんよね。
ファシリテーターは冷静に場に対応する必要があります。
一見するとクールに見えるくらいの態度をとることが大事。
けれど、良い意見はしっかりと承認することは大事ですからね。
【カッコいいファシリテーターの振る舞いとは】
では、カッコいいファシリテーターの具体的な振る舞い方をご紹介しましょう。
これができていると、さりげなくカッコよさを参加者にアピールできますよ。
1.ホワイトボードの左側に立つ
これは右利きの人の場合の話です。
ファシリテーターは参加者から見て、ホワイトボードの右側に立つといいです。
これがどうしてカッコよさにつながるのか?
ファシリテーターは進行しながら板書も行います。
このときにホワイトボードの左側に立っていると、板書する時に書いている文字と人物が重なってしまい、参加者は何を書いているのかが終わるまで見えません。
しかし右側に立って半身になって(体を開いた感じ)ホワイトボードに板書ができるため、書いている最中に何を書いているのかを参加者が確認しやすくなります。
たったこれだけのことですが、板書中に文字が見えるか見えないかは大きな違いがあります。
カッコいいファシリテーターは、常に参加者に気を配るものですよ。
ちなみに左利きの人は立つ位置が逆になりますので注意してくださいね
2.三色のマーカーを左手に握る
これも右利きの人の場合です。
ホワイトボードマーカーは黒・赤・青の三色を使うことが多いでしょう。
これを最初から左手(左利きの方は右手)に握っておくのです。
握り方は、ペンのキャップの部分を指に挟みます。
私の場合、親指と人差し指の間に黒、人差し指と中指の間に赤、中指と薬指の間に青を握ることが多いです。
こうやっておくと、すぐに色をチェンジさせることができます。
つまり、素早く色替えをして板書ができるのです。
これは見ている方も「カッコいい!」と思ってくれますよ。
これを、ホワイトボードの受け皿(溝の部分)にペンを置いておくと、色替えに時間がかかり、結局一色しか使わないということもあります。
真っ黒の板書だと、どこに要点が書かれてあるのかがわかりづらいですからね。
色替えをスムーズに行うのも、ファシリテーターのカッコよさの一つです。
3.さりげなく意見を承認する
「なるほど、それいいですね」
「うん、なかなかおもしろい意見ですね」
発言した時に、ファシリテーターがさりげなくこんな言葉をかけてくれる。
これ、すごくカッコいいですよね。
発言した人も、自分の意見が認められたんだとうれしくなるもの。
また肯定的に受け止めてくれたという気持ちになり、また次に意見を言いたくなるものです。
これはファシリテーターというよりも、人として「きちんと意見を受け止めてくれた」という気持ちが高まります。
人は肯定してくれると、相手に好感を持つものです。
ただし、肯定的に受け止めると言っても
「うん、いい、それ最高!素晴らしい!」
のように、過度に承認されるのはちょっと避けたほうがいいですね。
ここまで言われると、その意見で決定してしまったように思えますので。
過度な承認の言葉はなるべく避けて、さりげなくということを意識してみましょう。
4.場の空気を鎮める
意見の対立が始まってしまった。
場は膠着状態で緊張が走ります。
そんなときにファシリテーターが颯爽と登場して
「では、この二つの意見に対してのメリット、デメリットを出し合いましょう」
と素早く緊張状態を解くように会議を進める。
これってカッコいいですよね。
他にも、なんとなく場がしらけたような時に、ちょっとしたジョークを言って場を和ませたり。
考えが行き詰まった時に「ちょっと休憩を入れましょう」というように、空気を入れ替えるような提案をする。
ファシリテーターは常に場の空気を読んで、良い方向に向かわせるようにすることが必要になります。
これが当たり前にできるファシリテーターというのは、ホントカッコよく見えるものですよ。
5.参加者に同意を求める
「みなさん、こういった結論になりましたがこれでよろしいでしょうか?」
このセリフ、意外にも言えていないファシリテーターが多いです。
会議の最後に決まったことを復唱して、参加者に同意を求める。
「これにて一件落着!」のような感じで会議を締めてもらうと、参加者の納得感も高まるものです。
カッコいいファシリテーターは、会議で決まったことが何なのかを最後にきちんと伝えてくれます。
これが当たり前にできるようになると、ファシリテーターの存在意義も高まるというものですよ。
【カッコいいファシリテーターだとどうなる?】
こういったさりげない行為でカッコいいファシリテーターになると、会議はどうなると思いますか?
これは実際に私がファシリテーター指導をしている企業で起きたことです。
今まではなんとなくダラダラとした会議が進行されていました。
そういった企業から、会議の進行の指導をお願いされて一人のファシリテーターを徹底的に育成しました。
最初はアジェンダ通りに進めることに精一杯だったのですが、次第に慣れてきたところで、今回お伝えしたような「カッコいいファシリテーター」の裏技を少しずつ伝えたのです。
そして実際に意識をしてやってもらいました。
最初のうちは慣れなくて、終わってから私が細かくフィードバックをしていたのですが、何度もやっていくうちにカッコよさが身についてきたのです。
すると、会議の参加者から「あの人って、会議の進行がとても上手になったね」と言われるようになりました。
そして気がついたら、とてもスムーズに会議を進行できるだけでなく「ファシリテーターとしてのアイデンティティ」を持てるようになったのです。
自分はファシリテーターなんだという自覚がとても強くなったのですよ。
そのおかげで、会議はこの人に任せておけ!と回りからも認識が高まりました。
今では社内でファシリテーターとして引っ張りだこになっただけでなく、その人が後任のファシリテーターを育成できるほどになりました。
カッコいいファシリテーターって、回りからその存在を認められるようになり、さらに力をつけていけるものなのですね。
【目指すはカッコいいファシリテーター】
ファシリテーターになったからには、ぜひカッコいいファシリテーターを目指して下さい。
そうすることで、ファシリテーターという存在の価値を高めることにもつながります。
さらに、自分もファシリテーターを目指そうという人も増えてくるでしょう。
実は私もファシリテーターに目覚めたきっかけは、自分の上司がカッコよくホワイトボードに議事をまとめていたのを目にしたからです。
自分もあんな感じでホワイトボードに書けるようになりたい、そう思って取り組み始めたのが私のファシリテーター人生の始まりでした。
そうして今度は自分がファシリテーターになり、会議を進めていく。
さらにファシリテーターとしての技術を高めるために、勉強と実践を重ねていく。
そうして今の自分が出来上がったのです。
ぜひカッコいいファシリテーターを目指して、多く人に「自分もそうなってみたい!」と思わせて下さい。
そうすればファシリテーターも増えるし、ファシリテーションの技術も広がって、より良い会議が多くの企業や組織に普及できますからね。
【おわりに】
カッコいいファシリテーターの存在、いかがでしたか?
探せば他にもカッコよさは見つかると思います。
自分が「この人の会議進行はかっこいい!」と思ったら、その要因を分析してみて下さい。
そして次はそこで見つけたものを自分なりに真似をしてみる。
そうやってファシリテーションの技術って向上させることができるものですよ。
なにより、自分が回りから真似をされるようなカッコいいファシリテーターを目指すこと。
これに尽きます。
そうしたら次は後任のファシリテーターの教育ですね。
ということで次回は「ファシリテーターを育成するコツ」についてお伝えしましょう。
このコツを知って、どんどん次のファシリテーターを育てていくことも、あなたの役割だと思って下さい。
ということで次回も乞うご期待!
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